東寺(教王護国寺)

 東寺(正式名称は教王護国寺)は、平安京遷都(794年)の際に羅生門の東西に置いた大寺のまさに東側の寺。そのため、
左寺ともいうそうです。796年に建立されました。
 当初の建立目的は平安京の東側(左京)の鎮護でしたが、823年に嵯峨天皇が空海(弘法大師)に東寺を与えてからは
真言宗の根本道場としての意味合いが強くなっています。
 創建時の建物は戦や自然災害でほとんど失われていますが、その後再建され現在に至っている堂塔が国宝、重要文化財
に指定されています。さらに、1994年12月には世界遺産に登録されました。
○東寺の入口

一番大きな門・南大門

東大門は別名「不開門」

北大門へは蓮池を越えて
 
   東寺の広大な敷地には多くの門がありますが、正門の南大門(重文)がいちばんポピュラー
です。明治時代に一度焼かれ、
1895年に三十三間堂の西大門を移築したものです。
 東大門は不開門(あかずのもん)とも言います。これは、足利尊氏が新田義貞と戦った際、
この門を閉じて難を逃れたためなのだとか。その戦い以来、この門は開けていないそうです。
○金堂・講堂

南大門をくぐるとまず視界に

国宝の金堂

まもなく築400年

こちらは重文・講堂
   国宝の金堂は、796年に創建されたと伝えられています。現在の建物は、1468年に土一揆
に巻き込まれて焼失した後、1603年に豊臣秀頼の発願で再建されたもので、桃山時代の代
表的建築です。
 重文の講堂は、もともと東寺創建時にはなかった建物ですが、825年に空海によって着工さ
れ、835年頃に完成しています。その後、やはり1468年に焼失し、1491年に創建時の基壇の
上に再建されています。
○五重塔

南大門の外から

東寺のシンボル的存在

瓢箪池を挟んで

境内の南東隅に鎮座

 

 
 国宝の五重塔は、826年に空海が創建に着手(材木調達に手間取り完成が877年までずれ
込む)しましたが、4度の火災に遭い(4回目が1635年)、現存のものが1644年に徳川家光の
寄進で再建されています。高さは57メートル弱で、現存する日本の古塔の中ではいちばん高
いです。
○その他には・・・


国宝の西院・大師堂


食堂(じきどう)

 大師堂は弘法大師の住居だった所とされていますが、当初
の建物は焼失しています。現在のものは、1380年に再建され
1390年に礼堂と廟を加えたものだとか。

 食堂は当初のものがいつ創建されたか不明(895年に千手
観音像が造立されたらしい)。足利尊氏が陣を張った際には
尊氏がここに居住したと伝えられています。現在の建物は、
1930年に焼失後、1934年に再建されたものです。

○夜の東寺五重塔
 

 

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